研究課題/領域番号 |
21K19915
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
堺 裕輔 九州大学, 工学研究院, 准教授 (10608904)
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研究分担者 |
江口 晋 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80404218)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | 肝臓 / ECM / 構造タンパク質 / スポンジ / ニードル / 肝再生医療 |
研究成果の概要 |
表面がフィルム状の多層アガローススポンジニードル基材(MSニードル)を作製した。MSニードルのBSA(分子量66.5 kDa)の拡散供給とLDH(分子量140 kDa)の拡散抑制を明らかにし、細胞・液性免疫の抑制を示唆した。ラット初代肝細胞をMSニードル上で培養すると、一般的な培養法と比較して高いアルブミン産生能を維持した。Cps1やArg1(尿素回路)、Foxo1(糖新生)、G6pc(解糖系)等、遺伝子発現レベルも維持された。肝臓表面にMSニードルを穿刺、ラット初代肝細胞を播種したところ肝細胞スフェロイドを形成し、少なくとも5日間、生存した。
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自由記述の分野 |
再生医用工学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では肝臓に着目し、組織・臓器に穿刺して新たに培養足場を提供するシステムを創出した。移植肝細胞に肝臓(ホスト)から液性因子を拡散供給して組織形成を促すと共に、免疫拒絶や細胞拡散を抑制し得た。また、移植後に完全に除去できる特徴を併せ持つ。腫瘍形成リスクを完全には排除できないiPS細胞等の遺伝子操作により作製した細胞を安全に利用できる可能性を有する。様々な組織・臓器に対して新たな生体内培養環境を増設できる発展性からも、革新的な再生医療の実現に大いに貢献し得る。
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