研究課題
挑戦的研究(萌芽)
ヒアルロン酸(HA)のカルボキシル基にアミノ基を修飾し、それを足場として1本鎖RNA(オリゴシチジル酸:rC40)を修飾させた(HA-rC40)。アミノ基の修飾率はカルボキシル基に対して6%程度であったが、ほぼその全てにrC40を結合させることが出来た。多角度光散乱を用いてキャラクタリゼーションを行ったところ、rC40を修飾してもHAの形態はほとんど変化していないことが分かり、その後の受容体(CD44)への結合も影響ないことが示唆された。
生体高分子科学
これまでのがんワクチン効果の向上のための研究は基本的には免疫細胞(抗原提示細胞)をコントロールすることにしか目が向けられていない。本申請の様ながん細胞に刺激を与えるような核酸(siRNAとは異なる二重鎖RNA)を送達させることで細胞の表層を改変させ(MHCクラスI分子を発現させ)、CTL活性の向上を試みる報告例はない。その中で、本提案の抗原性改変技術はがんワクチンに対する新たな戦略の一つになり得ると確信している。