研究課題/領域番号 |
21K19931
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
岩崎 泰彦 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (90280990)
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研究分担者 |
遊佐 真一 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (00301432)
平賀 徹 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70322170)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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キーワード | マクロファージ / がん免疫治療 / ナノ粒子 / 細胞表面修飾 / 糖鎖 / リン脂質ポリマー / DDS |
研究成果の概要 |
本研究は,マクロファージを薬物担体として利用し,腫瘍組織に対する高選択的な薬物輸送システムを構築することを目的として実施された.研究期間ではマクロファージ本来の機能を低下させない表面修飾法の開拓,マクロファージに搭載するナノ粒子の設計および調製,マクロファージ表面へのナノ粒子の固定化,マクロファージの固形がんに対する親和性を高める方法について検討した.これらの検討により,ラジカルを利用しない新たなマクロファージの表面修飾法や固形がんに対し高い親和性を示すマクロファージの獲得に成功した。
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自由記述の分野 |
生体材料学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では元来免疫細胞に見られるがん細胞指向性に着目し,新たな薬物輸送システムの構築を目指した.近年,遺伝子操作により免疫細胞の表面にがん抗原受容体を発現させ,がん組織を攻撃する治療法が注目されているが,受容体の種類が限定的であるため,治療効果のばらつきが課題となっている.本研究で確立した手法は,化学的に任意の受容体をマクロファージに固定化することを可能にするため,従来法に比べ多様ながん種に適応できると期待される.「がん」という難題に挑戦する本研究課題の社会的意義が大きいことはもちろんのこと,細胞を利用した薬物輸送は.高分子化学,糖代謝工学,免疫学を融合した学術的にもユニークな戦略といえる.
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