研究課題/領域番号 |
21K19945
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
浅井 佑太 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 助教 (80908369)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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キーワード | 新ウィーン楽派 |
研究実績の概要 |
本研究では、新ウィーン楽派の作曲家、特にアルノルト・シェーンベルクとアントン・ウェーベルンの作品に焦点を当てて調査を行った。彼らの楽曲スケッチを詳細に分析することで、作曲プロセスを再構成しようと試みた。このアプローチにより、両作曲家の作曲プロセスに関する新たな知見が得られるだけでなく、彼らの作曲思想を明らかにすることができたと考える。
分析の結果、シェーンベルクとウェーベルンの作曲プロセスには明確な違いがあることを示すことができた。さらに、それぞれの作曲家が持つ独自の作曲思想が、彼らの作品にどのように反映されているかについても、新たな視点が得られた。この発見は、新ウィーン楽派の音楽研究において重要な意義を持ち、さらなる研究の可能性を示唆してるといえるだろう。
本研究の成果は、まず口頭発表によって公表され、その後、詳細な分析と考察をまとめたものを論文として出版することができた。今後も引き続き、新ウィーン楽派の作曲家たちの作品や思想についての研究を深め、音楽史における彼らの位置づけや影響力についてさらなる理解を得ることを目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルスの影響により、当初予定していた海外調査を実施することが困難となり、計画の変更を余儀なくされた。しかしながら、手元にある資料を再検討し、研究を継続することができた。また、海外調査が行えなかったことで、論文執筆に多くの時間を割くことが可能となった。 前年度に引き続き、口頭発表を通じて研究成果を共有すると同時に、論文の発表も行われた。このような状況下でも、研究活動を継続し、成果を発表できたことは評価してよいと思う。 総じて、研究は順調に進んでおり、今後も研究成果の発表や新たな知見の取得に努める予定である。コロナ禍による制約がある中でも、柔軟に研究計画を見直し、研究活動を続けることができた経験は、今後の研究にも役立つだろう。
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今後の研究の推進方策 |
状況が許す範囲で、海外での調査を行いたいと考えている。バーゼルのパウル・ザッハー財団とウィーンのシェーンベルク・センターが候補である。海外の資料や専門家との交流を通じて、新たな知見や視点を獲得することが期待される。研究の質を高めるためにも、海外調査の実施は不可欠であると認識している。 次に、現在入手可能な資料をもとに、新ウィーン楽派の作曲プロセスの検討をさらに深めていく予定である。これまでの研究成果を踏まえつつ、さらなる分析や詳細な調査を通じて、新ウィーン楽派の音楽の理解をより一層深めることが目標である。 また、ドイツのジャーナルへの論文投稿を目指したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた調査がコロナ禍のためできなかった。それゆえ、調査のための資金を次年度に持ち越した。
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