他者の観察可能な行動をもとにして、その人の思考をどのようにして知ることができるのか、という他者解釈(他者理解)の問題に本研究は取り組んだ。他者解釈には、個々の場面で他者が何を考えているのかを解釈する側面、そして、そこに含まれることとして他者の思考能力・概念能力を解釈するという側面がある。 本研究では、言語行動と非言語行動のそれぞれが、他者の思考を解釈するうえで果たす役割、そして、言語能力のある生物と無い生物の思考能力・概念能力の違いを明らかにしようとした。成果として、表象の形式の観点からの説明を提示し、さらに概念の相対主義に関する議論のうちに、概念の多様性に関するより具体的な特徴づけを探った。
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