研究課題
研究活動スタート支援
本研究では法華懺法の資料調査を中心に行い、先行研究で注目されていなかった関連資料を複数確認できた。これにより法華懺法の次第本の古本を平安後期まで遡って検討することができ、現行次第までの成立過程も明らかにできた。なお、本研究では法華懺法の展開として宮中での御懺法講にも注目したが、時間的な制約から成果は不十分であった。本研究では法華懺法の成立過程について、ある程度の成果が得られたため、今後、法華懺法の展開を考究していく中で御懺法講の検討にも取り組んでいく予定である。
仏教学
法華懺法は平安中期以降、天皇家、公家、武家、寺家が関与する特別な儀礼であったと考えられ、仏教学や仏教史だけでなく多くの分野においても注目すべき研究対象である。しかし、これまでに法華懺法の詳細な研究はなく、成立過程も明らかになっていなかった。本研究によって成立過程が明らかになったことは学術的にも意義深く、この成果は今後、平安中期以降の法華懺法の展開を考究していく上での基礎となるものである。