研究課題
研究活動スタート支援
本研究は、アルバムの蒐集と調査といった基礎的な史料調査を行うとともに、ヴァナキュラー写真論を導き手としながら、日本近代における「撮る」「撮られる」「蒐める」といった写真受容や表現の内実を検討した。その作業を通じて、アルバムを編集し眺めるといった行為の意味を考察するとともに、また公/私の境界線上にあるアルバムを位置付け、アルバムを史料として論じる可能性を明らかにした。
写真史
本研究は、従来の写真研究が指摘してこなかった人々の写真受容・表現を、アルバムを通じて実証的に明らかにし、人々が残した写真群を新たな視点から捉えなおすものとして位置付けることができる。ゆえに本研究は、日本写真史の新たな記述可能性を切り拓いていくための基盤を成すだけでなく、人々が残してきた/残していく膨大な写真・映像(イメージ)と向き合うための理論的視座を提供するといえよう。