研究課題/領域番号 |
21K19990
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研究機関 | 東京国際大学 |
研究代表者 |
大戸 雄太郎 東京国際大学, JLI, 講師 (70908847)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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キーワード | 実践研究 / 質的研究 / 音声教育 / 学習支援 / 発音学習 / Zoom授業 / eラーニング |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、日本語学習者が発音の自律学習を行うための発音指導を提供し、日本語学習者の長期的な発音習得のプロセスを解明することである。 2021年度は、当初の予定どおり、音声学・教育学関連図書から発音指導に関する示唆を得た上で、大学の授業の時間を使って発音指導を継続的に行い、学習者に発音に対する意識化を促した。 次に、指導を受けた学習者の中から11名の調査協力者を募り、発音生成調査、アンケート調査、インタビュー調査を実施した。インタビュー調査については、質的テキスト分析によって、「学習目標」「学習経験」「学習方法」「学習内容」の四つのカテゴリーを生成した。そこで、指導直後の学習者が日本語の発音学習をどのように捉えていたかを明らかにし、今後に向け、学習者の発音習得のプロセスを追う上での観点を得ることができた。また、2022年度に再度発音指導を行っていくために、結果に基づき指導法を再考した。分析結果については、2022年夏にオランダで行われるヨーロッパ日本語教師会の第25回シンポジウムと、カナダ日本語教育振興会の2022年次大会で発表することが決定している。 このほか、本研究に関連して、フランスでの発音指導の内容と学習者の発音習得を含む学びを明らかにした論文が『海外日本語教育研究』13号に掲載された。加えて、発音指導を行った実践者が教育観を再構築する様子については、「中東・北アフリカ日本語教育シンポジウム JLEMENA2022」にて発表しており、フランスの学習者による日本語の発音に対する意味づけについては、「2022年度日本語教育学会春季大会」にて発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度に予定していた調査は終了し、十分なデータを得ている。データの分析についても、終了していない部分もあるが、終了した部分については結果を整理し、学会発表を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度(2022年度)は、当初の予定通り、今年度(2021年度)の結果を活かし、発音指導法・内容を改善した上で、今年度とは異なる学習者に発音指導を行い、学習者の発音や意識により大きな影響を与えることを期待する。その上で、同学習者を対象に、今年度と同様の発音生成調査、アンケート調査、インタビュー調査を行い、今年度の学習者と次年度の学習者のデータの比較検証を行う予定である。 また、今年度に指導・調査を行った学習者に対して追跡調査を実施し、学習者の発音の変化や、発音学習の進展を確認する。データを総合的に分析することで、発音指導を受けた学習者の発音がどのように変化し、学習者が発音の自律学習をどのように行っていたかを明らかにする。研究成果は学会発表、論文執筆などの形で公表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
人件費・謝金について、予定していた英語翻訳を依頼せず、研究者自身で行い、謝金が発生しなくなったため。 次年度も英語翻訳を依頼するか再度検討し、翻訳謝金を含め、調査・分析協力者への謝金、加えて書籍などの物品費、海外での学会発表を目的とした旅費などに充当する。
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