研究成果の概要 |
本研究では、文法化の連続的なプロセスを捉えるため、言語変化の誘因となる英語史上の背景を念頭に、現代英語における動詞派生前置詞の使用実態を観察・整理し、どのような傾向があるかを記述することを目的とした。先行研究に基づき、前置詞を識別する種々のテストによる検証を行うとともに、大規模コーパスから抽出した用例の振る舞いを記述し、文法化の観点からincluding, seeingを分析した。また、通時性を念頭にconsidering, touchingへの文法化を質的に記述し、認知文法 (Langacker 2008) の「時間性」の観点から検討することによって言語変化を動機づける認知的基盤を考察した。
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