研究課題/領域番号 |
21K20021
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
鈴木 大悟 中央大学, 法学部, 助教 (60908002)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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キーワード | ルネ・クルヴェル / シュルレアリスム / ハヴロック・エリス / サド / 羞恥心 / 性的周期 / 自体愛 |
研究成果の概要 |
本研究は、シュルレアリスムの作家ルネ・クルヴェルの小説作品における、性科学者ハヴロック・エリスと革命家サドの影響について、未公開資料の読書ノートを参照することにより、解明しようとした。本研究はまず、エリスとサドにささげられた読書ノートを改めて精査し、これを踏まえたうえで、クルヴェルの小説『おまえたちは狂人か』(1929)とエリス、『皿に突っ込んだ足』(1933)とサドの関係を解明しようとした。再調査された読書ノートについては、所属機関の紀要にまとめた。また、エリスについては、所属学会で報告し、学会誌に掲載予定である。サドについては、近々世に問うつもりである。
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自由記述の分野 |
シュルレアリスム
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでのクルヴェル研究の多くは、同性愛や自殺など、作家の苛烈な実人生を重視し、作品をその表れとみるむきが強かった。本研究は、作家の未公開資料である読書ノートを参照することにより、クルヴェル作品における思想的葛藤を解明しようとした。本研究は特に、エリスとサドにささげた読書ノートを実証的に精査し、小説作品における両者の影響を考察した。こうした研究の方向性と資料の活用において、学術的意義は認められるであろう。また、性的マイノリティーとしてのクルヴェルが、エリスやサドなど性の革命の実践者たちをどのように受容したのかを考えることは、極めて今日的な社会的意義が認められるであろう。
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