エミール・ゾラの『ルーゴン=マッカール叢書』並びに『三都市叢書』の第1巻目の作品である『ルルド』を主な分析対象として、これらの作品に描かれた地方及び地方都市の文学的表象を、作者が作品執筆に先駆けて記述した準備ノート等の資料と照らし合わせて再読する一方で、そうした作品内に描かれた空間における登場人物の移動の問題にも焦点を当てて作品分析を行った。 これらの成果は、研究論文「ゾラの『獣人』『ルルド』における鉄道の表象 : 風景・移動・知覚の観点から」(九州大学フランス語フランス文学研究会『ステラ』第41号)に発表した。加えて、今後、本研究のテーマとも関連する共著論集の刊行を予定している。
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