研究課題/領域番号 |
21K20049
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研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
寺本 敬子 成蹊大学, 文学部, 准教授 (80636879)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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キーワード | 日仏交流史 / 日仏関係 / 日英交流史 |
研究実績の概要 |
本研究は、19世紀後半の日仏関係の推移を、①仏学会(1886年設立)や日仏協会(1900年設立、1909年に仏学会と合併)といった学協会を基盤とした日仏間の人的ネットワーク、②フランスの対アジア外交、③日英関係(1872年に設立された日本アジア協会)との比較、という三つの視座から検討する。以上の分析を通じ、日仏の外交関係が希薄化した明治期の1880年代から再び緊密性を増す大正期の1920年代にかけていかなる日仏関係の推移があったのか、その実態を多角的に解明していくことを目的とする。 2022年度は主に研究課題①「日仏間の人的ネットワーク」の調査研究を進めた。特に2021年度に鹿児島県歴史・美術センター黎明館(鹿児島市)で実施した資料調査に基づき、明治期の日仏間の外交および産業の交流に主要な役割を果たした鮫島尚信、前田正名、さらに松方正義を加えて、調査研究を実施した。この研究成果は、2022年12月に鹿児島県歴史・美術センター黎明館で講演した。この講演では、1878年パリ万博において鮫島尚信(初代駐仏公使)・松方正義(日本万博事務局副総裁)・前田正名(日本万博事務局事務官長)がそれぞれいかなる役割を果たしたのかを、日仏の万博資料の比較検討を通して論じた。また前田正名が1919年(大正8年)に生涯で最後となるヨーロッパ訪問を果たした際に、前田自身がフランス語でまとめた冊子に関して調査を行い、その成果の一部を2022年3月に刊行された論集にまとめた。この他、研究課題②・③に関しては、1920年代・30年代に刊行された日仏交流誌(Revue Franco-Nipponne、France-Japonなど)も分析対象に取り入れて継続的に調査した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は、主に研究課題①「日仏間の人的ネットワーク」を対象に日仏間の外交および産業の交流に主要な役割を果たした人物に関する調査を実施し、その研究成果を発表した。しかし研究課題②「フランスの対アジア外交」に関しては、2022年度にフランス(外務省文書館等)で外交文書等の資料調査を実施する計画だったが、渡航の制限等により実施できなかった。そのため国内に所蔵される外交史料や雑誌の閲覧・検討に留まり、当初予定していた研究計画に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、2021年度・2022年度の調査研究を通じて整理した研究課題①の「日仏の学協会(仏学会、日仏協会)の活動」および「日仏の人的ネットワークの形成」に関して、研究課題②「フランスの対アジア外交」の視点を取り入れて検討を進める。そのためフランス(外務省文書館等)における資料調査を実施する。また研究課題③「日英関係(1872年に設立された日本アジア協会)」との比較を通じ、明治・大正期の日仏関係の特徴を整理する。以上を通じ、日仏が接近する1907年日仏協約の締結およびそれ以後の日仏交流の促進に日仏の学協会およびその構成員が果たした役割を解明し、その研究成果を論文等にまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、2022年度に計画していたフランス出張が実施できなかったことによる。2023年度は、主にフランス出張及び現地での資料調査の費用として使用する計画である。
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