研究課題/領域番号 |
21K20050
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
畑山 智史 中央大学, 人文科学研究所, 客員研究員 (00907595)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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キーワード | 貝塚 / 縄文時代 / 放射性炭素 / 熱変性 / 貝殻成長線 / 季節性 |
研究実績の概要 |
本研究では、煮炊きなどによる加熱によって、貝殻硬組織に刻まれる成長線の変化を把握するため、現生のヤマトシジミやアサリ、ハマグリ、チョウセンハマグリを試料として、煮る、焼く、蒸すなどの加熱実験をおこなった。その結果、ヤマトシジミにおける貝殻表面の変化は、300℃、45分間よりみられ、殻体は白色から灰褐色に変化している。貝殻切断面の微細構造である成長線の消失は、約300℃・45分間の燃焼後に外気と接する腹縁より開始していた。所々でその成長線の計数が可能であった。成長線の消失した部分は、本来、観察できる成長線の方向に対して、垂直方向に歪なラインがみられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響により、予定していた県境をまたぐ調査や分析機器の借用などが延期となった。また同様にコロナ禍の影響および国外の紛争の影響により、購入を予定した機器の調達にも遅れが生じた。さらに、いわゆるアサリ産地偽装問題の影響で購入予定である試料にも影響が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度末より、機器の調達に目途がたち、予定通りに設置後に実験を再開する。さらに昨年度末にまとめて貝殻の熱変性にともなう微細構造の変化について、含有する同位体比の変動を検討するために試料を準備する段階に入った。当初の予定通り、測定する計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響により、予定していた県境をまたぐ調査や分析機器の借用などが延期となった。また同様にコロナ禍の影響および国外の紛争の影響により、購入を予定した機器の調達に遅れが発生した。昨年度に予定していた機器の調達については、昨年度末に見通しがつき、今年度前半には、今年度に予定していた機器とあわせて導入が予定されている。
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