本研究は、上述の通り、従来「表現の自由」という一つの括りに含められていた表現活動も、その内容や性質、動機をつぶさに検討することで、複数の性質に分けて考えることができるものが混在していたのではないかという視点から検討を進め、この点は、「表現の自由」の理論に対して寄与するものであるといえる。 これは、表現の自由に対する規制を正当化するものというよりも、表現の自由の規制の限界を見るために重要な視点である。というのも、フェイクニュースなどは、それが結果として真実に反する内容であったからという理由で規制されるのではない可能性を見出すことができるからである。
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