研究課題/領域番号 |
21K20084
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川端 倖司 京都大学, 法学研究科, 特定助教 (60910841)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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キーワード | 地方自治 / 条例 |
研究実績の概要 |
本年度においては、主として、日本国憲法やドイツ基本法において保障されている「自治」の意味内容について、研究・調査を行った。まず、ドイツ(プロイセン)においては、戦前、自治は名誉職による自治行政を意味していたが、次第に団体自治を意味するようになっていった。もっとも、住民自治については自治の内容から排除する見解が主流であり、住民自治の内容が含まれるようになったのは、戦後になってからであった。戦後、ドイツ基本法によって保障される地方自治には住民自治の要素も含まれるとはいえ、地方公共団体による自治が自治行政であるという伝統的な理解は今なお継受されており、地方公共団体が制定する条令は行政による規範定立として位置づけられている。 これに対して、日本においては、戦前はドイツと同じく、自治が名誉職による自治行政として理解され、その後次第に団体自治が自治の意味内容となるようになった。戦後、日本国憲法では、地方自治の保障が憲法上なされるようになったが、そこでは住民自治も保障されるという理解が一般的となった。ただし、ドイツとは異なり、日本では地方公共団体による自治が行政の執行だけでなく、立法も行うという理解がなされるようになり、条例が法律に準ずるものとして位置づけられることとなった。 以上のように、日本とドイツの「自治」概念の変遷に着目することによって、両国における条例(条令)の位置付けの共通点や相違点がより一層明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本とドイツの資料・文献調査についてはおおむね順調に行えている。もっとも、本年度は新型コロナウィルスの流行に伴い、海外での調査が実施できていない。
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今後の研究の推進方策 |
今後は引き続き「自治」の意味内容について検討を進めるとともに、地方自治の憲法上の保障方法についてもさらに調査・検討を進める。また、本年度は日本・ドイツの文献調査が中心となったことから、スイス法の文献調査についても進める予定である。加えて、新型コロナウィルスの流行の状況次第ではあるが、海外における調査も可能であれば実施したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの流行により、海外出張を行うことができなかったため。本年度の流行の状況次第ではあるが、本年度の予算と合わせて海外出張を行う予定である。
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