マーサ・ファインマンは、依存とケアの制度として家族法を再編し、自立した成人同士の関係を特別に保護する法律婚を廃止すべきだと提案した。この提案は、英米日の法哲学・政治哲学でしばしば支持されているが、婚姻の契約法化やケアの制度の内実については、論者によって異なる見解が唱えられてきた。本研究は、契約法理論や子どもの権利に関する理論を参照してそれら異なる見解を分析・検討し、来たるべき家族法を指導する最良の規範理論をある程度明らかにした。特に、共同生活における交渉力格差や、養育者割り当て原理について、一定の答えを示した。
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