研究課題/領域番号 |
21K20104
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田渕 有美 大阪大学, 大学院国際公共政策研究科, 助教 (10908792)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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キーワード | 宇宙政策 / 冷戦 / 科学者 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、ケネディ政権期の「平和のための宇宙」政策決定過程における科学者の役割を明らかにすることで、従来「冷戦構造」の派生物として理解されてきたケネディの宇宙政策に新たな解釈を提示することである。2022年度は本研究プロジェクトの二年目にあたる。研究実績としては、以下の二点で進展があった。第一に、本年度も引き続き新型コロナウィルスの影響により、海外渡航を自粛せざるを得なかったものの、アイゼンハワー大統領図書館(カンザス)、ケネディ大統領図書館(ボストン)の複写サービスを利用することで、主に大統領科学諮問委員会・国務省・米国航空宇宙局(NASA)関連の史料を収集することができた。これにより、宇宙空間の利用法をめぐる国際的議論に関する言説の分析をすすめることができた。第二に、それらを用いて分析を進めつつ、その成果を第七回大阪大学豊中地区研究交流会にて「冷戦期米国「平和のための宇宙」政策の進展」というタイトルで発表した。この報告では、「平和のための宇宙」政策決定過程における科学者の役割を検討しつつ、当該政策が1957年のスプートニク・ショックを経て1960年代前半に変容していく過程を明らかにした。今後は米国での史料収集を再開し、引き継続き米国ケネディ大統領図書館、マサチューセッツ工科大学図書館、ワシントンの国立公文書館での調査をすすめるとともに、研究成果については本年度中に査読付き海外学術誌への投稿を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
史料収集は複写サービスを利用して一部進展があったものの、本年度も引き続き新型コロナウィルスの影響により、海外渡航が叶わなかった。そのため、予定していた海外学術誌への論文投稿も遅れており、本研究の延長申請を行う結果となったため、「やや遅れている」という自己評価になった。
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今後の研究の推進方策 |
アメリカでの史料調査を行うとともに、現在執筆中の論文を海外学術誌に投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナの影響により海外渡航が叶わなかったため、計画の延長申請を行った。2023年度はアメリカでの史料収集を行う。
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