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2021 年度 実施状況報告書

消費者情報処理の中断が広告効果に与える影響の探求

研究課題

研究課題/領域番号 21K20119
研究機関小樽商科大学

研究代表者

多田 伶  小樽商科大学, 商学部, 准教授 (00908288)

研究期間 (年度) 2021-08-30 – 2023-03-31
キーワードマーケティング / 消費者行動 / 購買意思決定 / コミュニケーション
研究実績の概要

本研究は消費者行動とマーケティング・コミュニケーションの視点から、消費者情報処理の中断が購買意思決定に及ぼす影響を検討することが目的である。
現時点での研究成果は以下の3つに大別される。第一に、消費者情報処理の中断メカニズムを分析するため、購買意思決定での意識と無意識の状態に着目し、先行研究レビューを行った。文献データベースから関連研究の書誌情報を収集した後、テキストマイニングの手法を用いて、先行研究がどのように分類され、それらの研究がどのように推移しているのかを明らかにした。
第二に、消費者情報処理の中断が購買意思決定に与える効果を検証するため、事前調査を実施した。購買意思決定の事例として、製品デザインや観光地の評価を取り上げ、それらに関する基礎研究を行った。前者の研究では、企業と消費者のデザイン評価は一致しにくいことが示されたため、その成果を論文で発表した。後者の研究においても、観光地の評価に関する分析枠組みを整理できたため、それらの内容を書籍で発表予定である。事前調査の成果を考慮しながら、実験刺激を作成しており、情報処理の中断の有無がデザインや観光地の評価にどのような影響を及ぼすのかを検討した。
最後に、消費者情報処理の中断量を測定する尺度を作成した。過去の研究で提案された尺度は調査のみで使用され、実験で用いられていなかった。情報処理の中断の有無で被験者を分けたときの操作確認として、本研究の尺度が使用できるのかを検討している。その結果、同尺度は信頼性や妥当性を備えており、実験の操作確認にも適用可能であることが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまで、先行研究の整理を行い、実験や調査の成果を学会や論文等で発表してきた。前年度の成果を引き続いで、次年度の研究を進められる。以上より、研究活動が順調に遂行されたと評価している。

今後の研究の推進方策

前年度で得られた成果をまとめつつ、新たな実験や調査を行う予定である。
まず、これまでに整理した先行研究を参照しながら、購買意思決定の理論モデルを作成する。次に、事前調査で作成した実験刺激を用いて、消費者情報処理の中断が製品やデザインの評価などにポジティブな効果を与えることを検証する。ポジティブな効果が得られた場合には、それらの原因となる心理的メカニズムを明らかにしたい。さらに、過去の調査で用いた分析対象とは異なる製品カテゴリーに注目し、消費者情報処理の中断量を測定する尺度の妥当性を更に検討する。
最終的には、本研究の成果をまとめて、消費者情報処理の中断と購買意思決定に関する著書の出版を目指す。

次年度使用額が生じた理由

これまで、先行研究の整理を行い、実験や調査の成果を学会や論文等で報告してきた。ただし、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、オンライン形式での研究活動が中心になった。次年度は感染状況に留意しながら、対面形式での研究活動を徐々に増やしていき、それらの活動に予算を充てたいと考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] デザインをとりまく社会変容の定量分析:アイデンティティとイメージの観点から2022

    • 著者名/発表者名
      多田伶, 金勝鎮, 勝又壮太郎
    • 雑誌名

      組織科学

      巻: 55(3) ページ: 21-33

    • DOI

      10.11207/soshikikagaku.20220415-3

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 消費者思考モード尺度の構築に向けて:無意識的思考理論の適用可能性2021

    • 著者名/発表者名
      多田伶, 勝又壮太郎
    • 学会等名
      日本商業学会 北海道部会

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公開日: 2022-12-28  

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