研究課題/領域番号 |
21K20142
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
高藪 広隆 近畿大学, 産業理工学部, 助教 (50907798)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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キーワード | サプライチェーン / 効率性・生産性 / 産業連関分析 / データ包絡分析 / 製造業 / 二酸化炭素 / 気候変動 |
研究実績の概要 |
二酸化炭素などの温室効果ガスの排出増加による気候変動問題が深刻化する中、世界全体で温室効果ガスの排出抑制に向けた取り組みが急務となっている。本研究課題では、特に製造業から排出される二酸化炭素について、製造段階に加えてその上流産業にも焦点を当てた分析を行い、製造業のサプライチェーン全体での二酸化炭素排出削減策を議論する。 具体的には、多地域産業連関分析モデルとデータ包絡分析法を組み合わせることで、グローバルサプライチェーン構造を考慮した国・産業レベルの効率性分析モデルを開発し、開発モデルを用いた実証分析を行う。本研究課題の目的は、①国・産業レベルのサプライチェーン全体に存在する非効率性の定量化とそれらの要因を特定し、②サプライチェーン全体のCO2排出量削減に有効な技術投資政策とサプライチェーンマネジメント政策を議論することである。 2021年度には、多地域産業連関表World Input-Output Database (https://www.rug.nl/ggdc/valuechain/wiod/wiod-2016-release)を利用して、43カ国の製造業18部門のサプライチェーン効率性分析モデルの開発と実証分析を実施した。本研究成果は、2022年3月2日に開催された「第17回 日本LCA学会 研究発表会」にてポスター発表で報告された。また、本研究成果は研究代表者が単著英語論文に取りまとめて、ビジネス・経営分野の査読付き英文誌であるTechnological Forecasting and Social Change誌に投稿中である。 また、2021年12月にはワークステーションを購入し、大規模データベースの処理が可能になった。これにより、分析対象国を43か国から190か国に拡大することが可能となり、より包括的な気候変動緩和政策を議論することが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度には、多地域産業連関表World Input-Output Database (https://www.rug.nl/ggdc/valuechain/wiod/wiod-2016-release)を利用して、43カ国の製造業18部門のサプライチェーン効率性分析モデルの開発と実証分析を実施した。本研究成果は、2022年3月2日に開催された「第17回 日本LCA学会 研究発表会」にてポスター発表で報告された。また、本研究成果は研究代表者が単著英語論文に取りまとめて、ビジネス・経営分野の査読付き英文誌であるTechnological Forecasting and Social Change誌に投稿中である。 また、2021年12月にはワークステーションを購入し、大規模データベースの処理が可能になった。これにより、分析対象国を43か国から190か国に拡大することが可能となり、より包括的な気候変動緩和政策を議論することが期待される。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、多地域産業連関表Full Eora (https://worldmrio.com/)を利用することで、製造業のより包括的なサプライチェーン効率性分析と気候変動緩和策を議論する。具体的な研究計画は以下の通りである。 2022年4月~7月にデータベースの整備・分析を行い、製造業のサプライチェーン全体で排出される二酸化炭素の排出削減に向けた政策について考察を行う。 ここまでの研究成果について、2022年8月28日から実施予定の28th International Input-Output Association Conferenceにて口頭発表を行うことで、関連分野の専門家と議論を行う。 ここで得られた知見をもとに、2022年9月~12月の期間では、分析モデルの見直しや考察を深める。2022年1月~3月の期間では、得られた研究成果を英語論文に取りまとめて、査読付き英文誌Journal of Supply Chain Managementに投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響で学会・出張に行くことができなかったため、次年度使用額が生じた。2022年度の使用計画として、2022年8月28日からマレーシアで実施される28th International Input-Output Association Conferenceに参加して、研究成果の報告・ディスカッションを行う。
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