研究課題/領域番号 |
21K20147
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
猪野 明生 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 講師 (00908725)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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キーワード | 政府負債 / 不完備市場 / 世代重複構造 / 財政再建 |
研究実績の概要 |
モデルを現実に照らし合わせモデルのパラメータを決定するための日本の国民経済計算データ及び労働時間・労働人口について、先行文献の著者から2014年までのデータを含んだ分析用ファイルを譲り受け、最新のデータを含めるよう改訂を行った。このデータを用いて先行文献にて行われた日本の財政再建に必要な消費税率の再計算を行った。先行文献は異なる年齢の人々が存在せず、全員が同じ量の資産を保有する代表的個人の仮定が置かれたものであるが、この結果を我々の異なる世代・異なる資産保有量の人々が存在するモデルの分析に用いることができる。 モデルの分析については、まず計算に必要なワークステーションの購入・設置及び設定を終え、ハードウェア上は大規模な分析を行える環境を整備した。世代や資産保有量の異なる人々が存在する経済モデルの分析は計算量が多くなるために、分析にはなくてはならない要素である。分析に用いるコードについては、分析が複雑化するためまずエラーをすぐ見つけられるよう計算のために定めた資産保有量の上限が結果を変えることがないか自動的に判別できるよう改訂を行った。また、世代重複構造のあるモデルを分析した先行文献の結果を再現することで信頼できるコードを作成した。 また、東北大学経済学ワークショップにて異なる世代の人々が存在しない場合の分析結果についての分析結果を行い、シミュレーションでの政府負債が一定の率で削減されていくという仮定についての指摘を受け、より様々なパターンで政府債務が削減されるケースでの分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度中に移行経路の分析を終える予定であったが、共著者との話し合いによりまず先行文献の結果を最新のデータを用いて検証するステップから始めることとなったため追加の分析が必要となった。そのために分析に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きFortranコードの改訂を行い世代重複構造を含んだ不完備市場モデルの分析を行うとともに、研究発表を行うことで他の研究者からフィードバックをもらうことで分析を改訂する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナの影響により学会旅費の使用ができなかったため、次年度に旅費として用いる予定である。
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