• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実績報告書

市場細分化と第三種価格差別に関する経済理論分析

研究課題

研究課題/領域番号 21K20156
研究機関大東文化大学

研究代表者

橋爪 亮  大東文化大学, 経済学部, 助教 (60909795)

研究期間 (年度) 2021-08-30 – 2023-03-31
キーワード第三種価格差別 / 独占 / ネットワーク効果 / 市場細分化
研究実績の概要

本年度は昨年度に引き続き、「独占企業が市場細分化に基づく第三種価格差別を控えるインセンティブの解明」を中心に研究を進めた。特に、昨年度にあまり進めることができずにいたネットワーク効果が存在する状況の分析を行った。分析の結果、ネットワーク効果が存在し、かつそのネットワークの大きさに関する消費者の期待形成に独占企業が影響を及ぼすことができない状況において、独占企業は価格差別ができないときの方が価格差別可能なときより厳密に大きい利潤を得られる場合があるという結果を得た。この結果は、企業が市場細分化を控える根拠を提示したのみならず、価格差別の禁止という規制が企業にとっても望ましいものとなり得るということを示唆している。なお、この研究に関しては、論文にまとめたうえで2022年10月に大東文化大学のセミナーと日本応用経済学会で報告を行っている。
また関連研究では、ネットワーク効果が存在し、企業が消費者の期待形成に影響を及ぼす状況の独占的第三種価格差別について、価格差別によりすべての消費者の厚生が悪くなる場合があることを示した。このような状況下では、価格差別は企業により大きい利潤をもたらすものではあるが、消費者保護の視点からは規制するのが望ましいということが明らかとなった。この研究については、2023年8月にSpringer社からの刊行予定となっている専門書の中にまとめられている。
以上の本年度の成果を踏まえて研究期間全体を振り返ると、一般的な需要関数を用いた分析を進めることができず、当初の研究実施計画通りに研究を行うことはできなかったが、学会報告と専門書を通じて研究成果を公開することができたため、一定程度の学術的貢献は果たせたであろう。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Monopolistic Third-Degree Price Discrimination with Network Externalities2022

    • 著者名/発表者名
      橋爪 亮
    • 学会等名
      日本応用経済学会2022年度秋季大会
  • [図書] Recent Advances in the Theory of Third-Degree Price Discrimination: A Nexus to Network Effects, Innovation, and Behavioral Aspects (SpringerBriefs in Economics)2023

    • 著者名/発表者名
      Takanori Adachi, Ryo Hashizume, Takeshi Ikeda, Tatsuhiko Nariu, Tomohisa Okada
    • 総ページ数
      112
    • 出版者
      Springer
    • ISBN
      978-9819932047

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi