当研究では、主に2つの研究成果を得た。1つ目が、日本銀行のETF買入の政策効果の計測である。当研究では、標準的なリスクプレミアムのモデルであるCAPM(資本資産価格モデル)を用いて効果を計測し、日本銀行によるETF買入れが、日本株のリスクプレミアムの押下げ、日経平均株価といった株価指数を有意に押し上げたことを示した。2つ目が、ベトナムにおける為替介入の効果である。為替介入が経済の安定に寄与する効果については懐疑的な見方も多いが、当研究では、DSGEモデルと呼ばれるモデルをベトナムのデータを用いて推計し、過去、ベトナムの為替介入が有意に経済安定に寄与していたことを示した。
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