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2022 年度 実績報告書

リアルタイム・データを用いたGDP予測手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K20162
研究機関神奈川大学

研究代表者

浦沢 聡士  神奈川大学, 経済学部, 准教授 (60910461)

研究期間 (年度) 2021-08-30 – 2023-03-31
キーワードGDPナウキャスト / オルタナティブデータ / クレジットカード利用情報
研究実績の概要

2021年度には、コロナ禍における取組を含む直近5年間のGDPナウキャストの結果をレビューし、その予測精度を評価するとともに、予測精度の向上に向けた課題を明らかにした。具体的には、感染症の影響を受けて経済が大きく変動する以前の期間では、モデルの予測精度が、コンセンサス予測と比べても遜色ない一方、コロナ禍における期間を含めて見ると、そうしたモデルの予測精度が大きく悪化したことを明らかにした上で、その背景には、予測に用いる伝統的な経済データにはレポーティングラグが伴うため今起こっている変化をリアルタイムに捉えることができない、データのカバレッジが十分でない場合に経済の多様な変化を予測に反映させることができない、といった点が影響していることを報告した。
2022年度においては、上記レビューの結果を踏まえ、変数選択の見直しやモデルの改良を通じて予測対象期間に関する情報が“全て利用できる”段階での予測の精度を高めること、また、レポーティングラグにより予測対象期間に関する情報が“十分に利用できない”段階での予測の精度を高めるため伝統的な公的統計に限らないHigh-frequency alternative dataの活用を検討し、その成果を報告した。具体的には、コロナ禍において生じた日本経済の特徴的な変化に対応するため、GDPナウキャストの予測モデルを改善するとともに、予測のより早い時点から、その精度の向上を図るため、伝統的な経済データよりレポーティングラグが短く、その結果、よりタイムリーに経済の動向を捉えるalternative data、具体的には、クレジットカードの利用情報を用いることにより、特に予測の初期段階において、より精度の高い予測を実現させる可能性があることを報告した。
こうした研究の成果は、GDPナウキャスティングとして東京財団政策研究所より定期公表され、社会に実装されている。

備考

東京財団政策研究所,GDPナウキャスティング

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] オルタナティブデータと経済ナウキャスト-GDP統計との比較で見る人流データ、クレカ利用情報の特徴-2023

    • 著者名/発表者名
      浦沢聡士
    • 雑誌名

      経済貿易研究

      巻: 49 ページ: 209-217

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] GDPナウキャストの枠組みの変更:更なる予測精度の向上にむけて2022

    • 著者名/発表者名
      浦沢聡士
    • 雑誌名

      東京財団政策研究所REVIEW

      巻: 2022年9月 ページ: 1-

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 経済変動の捉え方: - 長期的な傾向を掴む “トレンド” 、 短期的な動きを見る “景気” 、 今を知る “ナウキャスト” -2022

    • 著者名/発表者名
      浦沢聡士
    • 学会等名
      厚生労働省第53回労働政策懇談会
  • [学会発表] クレカ利用情報を用いたサービス消費のリアルタイム予測 -「JCB消費NOW」を用いたQE/サビ動の補外予測-2022

    • 著者名/発表者名
      浦沢聡士
    • 学会等名
      内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部
  • [学会発表] 「日本のGDPナウキャスティング」へのコメント - 予測精度の改善に向けた次の一手 -2022

    • 著者名/発表者名
      浦沢聡士
    • 学会等名
      第37回応用経済時系列研究会・研究報告会
  • [備考]

    • URL

      https://www.tkfd.or.jp/research/detail.php?id=3852

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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