研究実績の概要 |
今年度は、昨年度までに引き続き、金融政策と企業の参入・退出・サバイバル活動などのライフサイクル活動に関する研究を行った。この研究では、インフレ(またはデフレ)が現金前払(cash in advance, CIA)制約を通じて、企業のR&D活動や企業参入率、企業退出率に影響を及ぼすマクロモデルを用いて、インフレ率の低下(デフレ傾向)が企業参入・退出率を減少させ、結果的にビジネス・ダイナミズムの停滞を引き起こす可能性があることについて分析をしている。昨年度以前(本研究期間内)に執筆した論文"Explaining Declining Business Dynamism: A Monetary Growth-Theoretic Approach"を、KIER 共同研究プロジェクト主催ワークショップ「政策的不確実性と国際経済」(2023年11月23-24日、愛媛大学)、中央大学経済研究所公開研究会(人口・労働・社会保障研究部会、2023年12月8日、中央大学)などで報告した。この研究は査読付き国際学術誌から改訂要求があり、現在追加の分析および論文の修正作業を進めている。 また、昨年度に引き続き、財政政策と経済成長に関する研究について、査読付き国際学術誌への投稿を行った。この研究では財政政策が経済成長に及ぼす効果と、特許権保護の強さがどのように関係しているかということについて分析をしている。この研究に関してはモデルの改良のため、現在追加の分析を行っている。
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