日本の宗教状況において、伝統・慣習的な宗教活動(教団への所属認知の有無にとらわれない、地域の祭礼への参加や、神社への参拝など)は、主観的幸福にポジティブに寄与する。他方、占い、パワースポットめぐり、セラピーや癒しのヒーリングといったスピリチュアルな活動は、主観的幸福にほとんど影響しないか、あるいは若干の負の影響を持つ可能性がある。上記のような宗教活動は、神仏や死後世界といった宗教的なことがらへの信心とも結びついており、こうした宗教的な「意味づけ」が、宗教文化的活動と主観的幸福を媒介する重要な要因であることが示唆された。
|