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2022 年度 実施状況報告書

在日外国人に対する母語教育の展開と課題に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K20174
研究機関筑波大学

研究代表者

佐々木 優香  筑波大学, 人文社会系, 特任研究員 (60907799)

研究期間 (年度) 2021-08-30 – 2024-03-31
キーワード母語教育 / 移民第二世代 / 親子間コミュニケーション / 移民の社会統合
研究実績の概要

今年度は主に現地調査を中心に行った。具体的には、第一に「親子の言語使用と言語学習に関するアンケート調査」を対象地域において実施した。本調査は、公立学校に通う小学校5・6年生と中学校1~3年生の生徒とその保護者を対象としたものである。質問項目は大きく分けて、「家庭で使用している言語」、「言語が原因とする親子間コミュニケーションの課題」、「母語学習の状況」、「母語に対する考え方」、「日本語と母語の言語レベル」、「親の学歴・職業・滞日期間・日本語能力」、「親の言語継承に対する考え」などを問いとして設定した。また、これらのアンケートは、中国語、タガログ語、ポルトガル語の3言語に翻訳し、ルビをふった日本語と併記している。調査方法はGoogleフォームを用いた。
現段階の調査結果からは、それぞれの母語よりも日本語を重視する意見が多く見受けられている。しかし、集計率が伸び悩んでいるため、日本語を重視する家庭の特徴(親の日本語能力や職業など)や出身国との関係については考察が及んでおらず、今後は、対象地域を拡大し、有効回答数を増やした上で結果の集計、および分析を行いたい。
第二に、母語保持教室での聞き取り調査の準備を進めた。日本各地で公立学校の授業の一環として、あるいはボランティアとしてポルトガル語教室を運営している関係者にコンタクトをはかり、調査協力について了解を得た。2023年5月以降に現地調査を実施する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本調査目的である、出身国の違いが母語教育への考え方や実施状況に及ぼす影響を考察するため、アンケート調査を複数の外国語で行う必要があった。調査対象地域で最も需要度が高い中国語、タガログ語、ポルトガル語への翻訳作業に多くの時間を要したが、無事に各言語での翻訳を終え、アンケート調査票を完成させた上で、昨年度にGoogleフォームを用いて調査を実施することができたため。

今後の研究の推進方策

母語保持教室への訪問や関係者への聞き取り調査をもとに、言語教育政策や多文化共生施策と関連づけながら、日本での母語教育の展開や課題について明らかにする。また、引き続き外国ルーツの親子を対象とするアンケート調査を行い、調査結果の集計と分析を行う。アンケート調査と聞き取り調査の結果を踏まえ、研究結果を学会報告や投稿論文にて公表する。

次年度使用額が生じた理由

2022年12月から2023年3月の間、産前産後休暇を取得していたことを理由に、研究を一時中断したため次年度使用額が発生した。繰り越し分は、現地調査のための旅費に充当する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 図書 (2件)

  • [図書] 外国人生徒の学びの場(分担執筆)2023

    • 著者名/発表者名
      佐々木 一隆、田巻 松雄
    • 総ページ数
      208
    • 出版者
      下野新聞社
    • ISBN
      9784882868460
  • [図書] 移住労働とディアスポラ政策(分担執筆)2022

    • 著者名/発表者名
      明石 純一
    • 総ページ数
      344
    • 出版者
      筑波大学出版会
    • ISBN
      9784904074732

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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