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2021 年度 実施状況報告書

国際バカロレア(IB)初等教育プログラム(PYP)の受容実態に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K20206
研究機関静岡福祉大学

研究代表者

菅井 篤  静岡福祉大学, 子ども学部, 助教 (10911472)

研究期間 (年度) 2021-08-30 – 2023-03-31
キーワード国際バカロレア / 初等教育 / カリキュラムマネジメント / 教育モデル構築 / 幼小接続
研究実績の概要

本研究の目的は、日本における国際バカロレア(International Baccalaureate: IB)の初等教育プログラム(Primary Years Programme: PYP)の受容実態を実証的に解明することである。本研究では、学校教育法第1条に規定される学校(1条校)で展開される日本の伝統的な教育とIB教育の関連を弁証法的に検討し、「日本型IB教育の在り方」について示唆を得て、「教育現場へ還元可能な実践モデルの導出」に貢献することを試みる。
本年度はまず、小学校学習指導要領(平成29年告示)とPYPの教育カリキュラムの枠組みを比較・検討し、各カリキュラムをめぐる課題として、特に具体的な授業実践場面での教育方法について考察した。その結果、1条校におけるIB教育の方法論と課題が析出された。次に、日本でのPYPの地域化(localization)の実態について検討した。PYP導入が日本の小学校教育にどのような影響を与えるかについての示唆を導出するために、1条校のPYP認定小学校の教育理念、ないし教育目標を整理した。その結果、「世界規模での貢献や育成」というIB的主題が、日本的な教育理念である「教育を通じた社会の形成」「自己のスキルの向上」の二つの柱と合わさることで、1条校のIB教育として地域化されていることが明らかになった。最後に、効果的な教員研修について検討するために、1条校のPYP認定小学校で実施されている校内教員研修を対象に事例検討を行った。その結果、話し合い学習による対話型の教師教育の活用の可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は、IBPYP教育の受容過程をを「カリキュラム形成」、「授業展開」、「教員研修」の3つの視点から調査、分析をする計画であり、本年度はそれらを実証的に明らかにするための予備的考察を行うことができたため。

今後の研究の推進方策

今後は、PYP教員とPYP児童ないし保護者へのインタビュー調査を実施することを計画している。そして、その質的データを中核に据え、教育現場に還元可能な日本型IB教育モデルの構築のための議論を深めていく。そのことを通して、各PYP校において、どこに阻害要因があるのか、いかに解決するのか、という課題を整理していきながら全体的な構造の中で弁証法的に日本の教育とIB教育を高めていける教育モデルを構築する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染拡大状況に鑑み、現地調査の実施に支障を来した。そのため次年度以降に調査の一部を延期することとした。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 大学院における実践と理論の往還:シンポジウムのまとめ2021

    • 著者名/発表者名
      陣田 泰子, 手島 純, 菅井 篤, 三輪 建二
    • 雑誌名

      星槎大学大学院紀要

      巻: 3(1) ページ: 61-66

    • オープンアクセス
  • [学会発表] ディプロマプログラム(DP)履修生が考える「国際的視野」の特徴 ―テキストマイニングによる生徒記述の分析を通じて―2021

    • 著者名/発表者名
      木村光宏, 菅井 篤, 江幡知佳, 御手洗明佳, 松本暢平, 菊地かおり
    • 学会等名
      日本国際バカロレア教育学会第6回大会
  • [学会発表] 御手洗 明佳, 松本 暢平, 齊藤 貴浩, 菅井 篤, 江幡知佳, 木村光宏, 菊地かおり2021

    • 著者名/発表者名
      ディプロマプログラム(DP)履修生が身につけるコンピテンシーの特質 ―「高校での学習・経験に関する実態調査」(2021年度)の分析から―
    • 学会等名
      日本国際バカロレア教育学会第6回大会
  • [学会発表] 日本における国際バカロレア教育の地域化の実態 初等教育プログラム認定小学校の教育理念に着目して2021

    • 著者名/発表者名
      菅井 篤
    • 学会等名
      日本教育心理学会第63回総会
  • [学会発表] 国際バカロレア(IB)初等教育プログラム(PYP)としての教育方法論の検討2021

    • 著者名/発表者名
      菅井 篤
    • 学会等名
      日本比較教育学会第57回大会
  • [学会発表] IB の教育効果に関する調査研究(定性研究班)中間報告 -IB 教員が学び合う協働体プロジェクト第1 回セッションの振り返り-2021

    • 著者名/発表者名
      花井渉, 赤塚祐哉, 井上志音, 木村光宏, 渋谷真樹, 御手洗明佳, 伊藤健策, 菅井篤, 田中佳太
    • 学会等名
      日本国際バカロレア教育学会第6回大会
  • [図書] 「令和3年度IBの教育効果に関する調査研究事業」2021年度成果報告書2022

    • 著者名/発表者名
      井田 仁康, 川口 純, 赤塚 祐哉, 伊藤 健策, 井上 志音, 江幡 知佳, 江里口 歡人, 太田 瑠々, 金井 大貴, 菊地 かおり, 木村 光宏, 齊藤 貴浩, 佐々木 恵美子, 渋谷 真樹, 菅井 篤, 田中 佳太, 芳賀 裕子, 花井 渉, 原 和久, 松本 暢平, 御手洗 明佳
    • 総ページ数
      131
    • 出版者
      筑波大学

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公開日: 2022-12-28  

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