研究課題/領域番号 |
21K20210
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
清水 優菜 兵庫教育大学, その他部局等, 助教 (40910237)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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キーワード | 数学教師の支援 |
研究実績の概要 |
Society5.0という新時代の実現に向けて、科学技術の基盤である数学的問題解決を生徒に促すことが、より一層社会において求められている。これまでの研究により、数学的問題解決の要因と関連プロセスが示されてきた。しかし、生徒個人とクラス全体に対する数学教師の支援がどのような影響を与えるのかは未だ明確でない。 そこで、本研究では、①教師の支援を測定できる質問紙尺度の開発、②教師の支援が数学的問題解決の要因と関連プロセスに与える影響の検証を行う。これらの研究によって、数学的問題解決を促進するために教師が心掛けるべき支援の様相が提示され、我が国において生徒の数学的問題解決が向上・改善することが期待できる。 当該年度までの研究により、次の2点が示された。その1に、数学教師の支援に関する先行研究の文献調査を行い、尺度開発に向けた観点を整理した。その結果、ソーシャル・サポート理論、愛着理論、自己決定理論などを理論的背景として、数学教師の支援に関する尺度開発の観点は、①支援の対象(クラス全体・複数の生徒・生徒個人)、②支援の場面(授業内・授業外)、③支援の機能(情意・評価・道具・情報)であることが示された。その2に、予備調査として、高校1年生から3年生を対象としたWeb調査を実施したところ、生徒は数学教師の支援の中でも、道具的および情報的支援を認識しているものの、情意的および評価的支援を認識していない傾向にある可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の影響により、研究打ち合わせならびに調査項目作成に係る予備調査の実施が大幅に遅れたことに伴い、当該年度中に本調査を実施できなかった。今後の状況に応じて、調査の実施時期および方法を見直しつつ、研究に取り組む。
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今後の研究の推進方策 |
現在、調査項目原案を作成している最中である。7から8月に尺度開発に係る本調査を実施し、その結果をまとめる。なお、本研究を円滑に進めるために、状況に応じて、質問紙調査だけではなくWebモニターによる調査も活用する。これらの調査から得られた成果は、令和5年度中に学会発表や学術論文などにて公表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症の影響により、研究打ち合わせ並びに調査項目作成に係る予備調査の実施が遅れたこと、並びに学会への参加が取りやめとなったため、次年度使用額が生じた。 新型コロナウィルス感染症の状況に応じて、研究打ち合わせならびに予備調査、学会参加などに必要な費用に充当する。また、今後は追加の文献調査やWeb調査が必要となる可能性が高く、これらに必要な費用にも充当する。
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