本研究の目的は、数学教師の支援を測定できる質問紙尺度の開発、および数学教師の支援が数学的問題解決の要因と関連プロセスに与える影響を解明することであった。高校生を対象としたWEB調査から、次の2点の成果を得た。第一に、一定程度の妥当性を有する「動機づけ支援」「思考支援」「協働学習支援」「授業風土支援」「ICTの活用」の5下位尺度30項目からなる数学教師の支援尺度を開発できた。第二に、数学教師の支援の中でも、動機づけ支援と思考支援が、生徒の数学学習への積極的な取り組みと肯定的な感情、認知的な参加を促すことで、数学的問題解決ができるようになること、ひいては数学学力が向上・改善することが示唆された。
|