研究課題/領域番号 |
21K20222
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
守屋 亮 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 助手 (00906711)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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キーワード | perezhivanie / 社会文化理論 / 言語学習アドバイジング / 英語学習者・英語教師 / 縦断的研究 / 協働的対話 / 主体性 |
研究実績の概要 |
外国語学習・教育でも主体性(agency)は重要であるが、その主体性に伴う心的体験(perezhivanie)は認知・感情・環境による統合体であることから、どれかを欠いては十分に考察および支援できないという問題がある。この問題を踏まえ、本研究では、1)英語学習者と英語教師の主体性をアドバイザーとの協働的な対話によりサポートする言語学習アドバイジング(以下、アドバイジング)を縦断的に実施し、2)双方の心的体験がどのように形成され変化していくのかを環境と時間軸を考慮した4次元的な枠組でプロファイリングし可視化することを目的としている。1年目の本研究では、5名の英語学習者・英語教師に各回約60-90分のアドバイジング・セッションを実施した。参加者によって進捗状況は異なるが、初回のセッションでは過去の英語学習経験について主に振り返ってもらった。2回目以降のセッションでは、初回の内容を基に、研究代表者が分析・解釈したデータを各参加者と共有しながら展開していく協働的対話によって各参加者の心的体験に関する理解を深めていった。また、2021年8月に国際学会のシンポジウムで本研究に関連する協働的なアドバイジング・セッションの形態について発表した。当該シンポジウムは外国語教育における自律学習やアドバイジングがテーマだったため、そこで得られたフィードバックを本研究のセッションにも反映させている。2年目も継続してセッションを行い、英語教師の場合は英語教育経験についても同様の手順で理解を深めていく。これにより各参加者における心的体験がどのように変化していくのかを明らかにすることが可能である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目は本研究に必要となる物品購入や縦断的なアドバイジング・セッションに参加可能な英語学習者・英語教師の選定に注力した。研究代表者がアドバイザーとなり複数人との継続的なセッションを行う形態のため、アドバイジングの準備やスケジュール調整に若干の時間を要してしまった。しかし、現状5名の参加者と初回セッションを終え、それ以降のセッションも見通しが立っているため、「おおむね順調に進展している」とした。セッションで交わされた内容の書き起こしやデータ分析は順次行っており、セッションの回数を重ねるごとに詳細な心的体験に関する情報が蓄積されている。分析結果は今後、可視化という形で参加者に提示するのみならず国内外の学会や論文としてもアドバイジングや心的体験の観点から公表していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2年目は継続して各参加者とアドバイジング・セッションを重ねていく。セッション内での協働的対話の深まりに応じて、心的体験の可視化も併せて行い、各参加者と分析や解釈の洗練に努める。また、1年目で得られた心的体験に関する知見をまとめつつ、国内外の学会や論文による研究成果の公表にも取り組んでいく。
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