研究課題/領域番号 |
21K20230
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
野村 駿 秋田大学, 理工学研究科, 助教 (30908950)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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キーワード | 夢追い / バンドマン / ライフコース形成 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,「音楽で成功する」といった夢を掲げて活動するバンドマンを事例に,夢の実現や断念に至るプロセスとそこでの問題経験,および夢追い後のセカンドキャリアについて明らかにすることである。 2021年度は,文献調査とバンドマンを対象としたインタビュー調査(継続)を計画していた。そのどちらもを実施することができた。 まず,文献調査では,国内外を問わず,主として学校から職業への移行(transiton)研究と,ポピュラー音楽研究,若者文化研究の整理を行った。これまでは前者に依拠して「若者の夢追い」を論じてきたが,新たに後者の研究にも着目して,両者の研究の接合点に「若者の夢追い」を捉える枠組みを生成した。 次に,インタビュー調査では,新たに調査協力を依頼した2名を含む,合計8回の調査を実施した。新型コロナウィルス感染拡大によって,県外移動が困難であったが,バンドマンたちの夢追いにも,その影響が色濃く確認された。調査項目は,新たに新型コロナウィルス感染拡大の影響を加えて,「コロナ禍での活動状況」,バンド活動以外の道に進んだ者にはその経緯などを聞き取った。新規調査の2名については,これまでの活動歴を幅広く尋ねた。特に,「夢を諦める」ことに関するまとまったデータが得られた。 以上の調査成果を踏まえて,2022年度の調査計画を立てるとともに,「夢を諦める」のみならず「夢を実現する」ことへの集中的な調査が必要であると考え,新規調査をさらに実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度に計画していた,①文献調査と②インタビュー調査を遂行することができた。ただし,新型コロナウィルス感染拡大の影響で,②については当初の計画に比して十分ではなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は,国内外の文献調査を継続しつつ,バンドマンへのインタビュー調査を集中的に行う。特に,音楽事務所に所属するなどして「夢を実現した」とみなせる者への調査が十分ではないため,これまでの調査を継続するとともに,新たに調査協力を仰いで,データ収集に努めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該助成金が生じたのは,インタビュー調査に係る出張が一度しか実施できなかったことによる。旅費とインタビューデータの文字起こし(業者委託・学生アルバイト)に充てる分の予算が大きく残る形となった。 次年度は,当初の計画でもインタビュー調査を集中的に行う予定であった。したがって,今年度に実施予定だったが実施できなかった分も含めて,次年度にはより多くの調査を行い,データの収集と分析に努めたい。
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