研究課題/領域番号 |
21K20245
|
研究機関 | 中部学院大学 |
研究代表者 |
東海林 沙貴 中部学院大学, スポーツ健康科学部, 助教 (50910577)
|
研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
|
キーワード | 体育授業 / 特別な支援を要する児童生徒 / 通常学級 / 合理的配慮 |
研究実績の概要 |
本研究は、日本国内の小中学校の通常学級に在籍する特別な支援を要する児童生徒に対する、体育科及び保健体育科における支援の在り方を明らかにすることを目的としている。 研究実施計画においては、初年度である2021年度に、通常学級に在籍する特別な支援を要する児童生徒に対して体育授業において行われたこれまでの支援の事例について明らかにすることを中心に据えていた。そして、当該年度における実施計画に沿った調査として、国立特別支援教育研究所の「インクルーシブ教育システム構築支援データベース」に掲載されていた通常学級に在籍する児童生徒に対する合理的配慮の事例の特徴について整理を行った。 その結果、小学校の通常学級に在籍する特別な支援を要する児童への体育授業における合理的配慮として、児童の障害や困難に合わせた多様な合理的配慮が行われていたことが確認できた。さらにそれらの合理的配慮は、学習目標や内容の変更という教師自身によって行われる配慮と、対象児童の周囲の児童によって行われる配慮という、大きく2つの視点からさらなる検討が可能であることが示唆された。この2つの視点については、通常学級特有の配慮であると考えられると共に、身体運動を主な学習活動とする体育授業特有の配慮であると考えられた。 以上の調査の成果に加えて、中学校の通常学級に在籍する生徒に対する体育授業での合理的配慮についても整理を試み、この内容については、現在、発表のための準備に取り掛かっている段階である。 また、小学校教員へのインタビューを実施し、通常学級に在籍する児童への体育授業に関連して、学校現場で困難と感じられる事項や支援の事例について詳細に明らかにすることを試みている。この内容についても、現在、発表のためのデータの整理ならびに分析を行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本務校における教育活動及び業務に多くの時間を費やす必要があり、当初想定していたよりも、本研究課題に時間及び労力をかけることができていないことが最大の理由として挙げられる。研究実施計画では、2021年度の間に海外における事例に関する文献の講読も予定していたが、このことに関してはあまり進捗がない状況である。 また、新型コロナウイルスによる行動の制限等により、学校への協力を仰ぎにくい状況であったことも本研究課題の遂行が遅れた要因であると考える。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究課題の今後の推進方策としては、2021年度に予定していた研究内容を後ろ倒して遂行することを第一に研究を進めていく。 具体的には、中学校における合理的配慮や支援の事例に関する整理及び分析の結果を発表すること、現場教員へのインタビューを重ねると共に、アンケートを実施し、学校現場における実際の事例の詳細に明らかにすることが挙げられる。 海外における事例の分析については、その作業を行った後に他国での事例の実地調査を実施する予定であったが、昨今の世界情勢に鑑みても、渡航についての具体的な目途が立てば、先に実地調査を行うこととしたい。そして、その後、諸外国における通常学級に在籍する特別な支援を要する児童生徒に対する体育授業についての事例を改めて整理し、現地での調査結果と照らして考察を行うこととしたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
購入を予定していたビデオカメラ及びマイクの納品が2021年度中に間に合わなかったことが1つ目の理由として挙げられる。これらについては2022年4月に納品されたため、前年度分の費用から充当する。 2点目の理由として、参加予定であった学会大会がすべてオンラインで行われたことにより、旅費使用の必要がなかったことが挙げられる。2022年度に参加予定の学会大会は対面で行われるため、その費用に充当する予定である。
|