研究課題/領域番号 |
21K20259
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
村田 翔吾 筑波大学, 人間系, 特任研究員 (50909471)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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キーワード | 数学的探究 / 定義活動 / 教材開発 / 証明 / 拡張 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、生徒が探究に取り組むなかで、定義を構成、洗練していく活動である「数学的探究における定義活動」を促進するための教材を開発し、その有効性を検証するこである。この目的を達成するために、本年度は主に以下の二つの課題に取り組んだ。 第一に、理論的枠組みである「数学的探究における定義活動の方法」に基づいて、活動を促進するための教材を開発したことである。具体的には、本研究が焦点を当てる数学的探究として、① 推測の証明と論駁、② 数学的概念の拡張の二つを設定し、それぞれの探究において定義活動を促進するための教材を開発した。また、実現を期待する活動と開発した教材との対応を考察することで、教材が活動を促進し得ることを確認した。以上について、得られた知見を論文の形にまとめて学会誌に投稿し、査読を経て論文が受理、刊行された。 第二に、国立大学附属中学校教諭の協力を得て、数学的概念の拡張における定義活動を促進するための授業を実践したことである。まず、事前の打ち合わせを複数回行い、課題内容や発問事項の調整を行った。次に、中学校3年生を対象として授業を実施し、授業をビデオカメラとICレコーダーで記録した。なお、データの収集は、所属機関における研究倫理審査委員会の承認を受けたうえで実施した。そして、教材の有効性及び改善可能性に関する示唆をるために、得られたデータを質的に分析した。 以上のように、本年度は当初の計画に対して研究課題を概ね順調に遂行することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」に記載したとおり、本年度は二つの課題に取り組むことができた。 第一の課題について、得られた知見を論文の形にまとめて学会誌に投稿し、査読を経て論文が受理、刊行された。 第二の課題について、当初の計画どおりデータを収集することができ、現在は得られたデータを質的に分析している途中である。こちらについても得られた知見を論文の形にまとめて学会誌に投稿する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度の課題は次の二つである。 第一に、得られたデータの分析を通して、数学的探究における定義活動を促進するための教材の有効性及び改善可能性を明らかにすることである。 第二に、公立中学校教諭の協力を得て、推測の証明と論駁における定義活動を促進するための授業を実践し、データを収集することである。
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