聴覚障害児における音韻意識(言葉を構成する音への意識)の形成と日本語の読み書きの習得との関連性を検討することを目的とした。聴覚障害幼児に対して、音韻意識形成及び文字習得状況を調査した結果、キュー(母音の口形と子音の手指動作で日本語音を表す)を使用している聴覚障害幼児において、キューの習得や記憶が音韻意識形成に影響を与える可能性を示した。 また、対象児が小学1年の時に1枚の絵から作文を書かせ、文の表出と音韻意識形成との関連性を検討した。その結果、音韻意識形成が良好である者でも語句の表記や文法表現に誤りはほとんどないが、内容豊かな文を書くことは容易ではないことが示された。
|