従来の研究は、米国リテラシー教育の「論理的」「学術的」とされる指導の側面に焦点を合わせてきたことが特徴として挙げられるが、これに対して本研究は、表現的、個人的な文章指導の側面に光を当てるという点に独自性をもつ。さらに、米国の表現的なライティングを検討するにあたり、教育方法学において蓄積された知見を参照しながら、具体的な教材や授業、教室内のダイナミズムまでを射程とする実践的な観点からの分析を行う点も、本研究の独自性である。日米ライティング教育を比較検討することで、現代における新しいカリキュラム、授業、評価方法を具体的に構想・提起することまでを射程とする点が、本研究がもつ学術的・社会的意義である。
|