研究課題
初年度の令和3年度上半期には、教室内の教員の指導と生徒の活動の様子を詳細に把握するために、11校の公立中学校を訪問し、20を超える授業の様子を観察することができた。加えて、 担当教員による授業の振り返り、および自治体の指導教員による総評が行われた研修会において、教員は特に英語発表指導などのパフォーマンス評価について非常に難しいと感じていることが判明した。下半期には、以上の公立中学校訪問と並行し、国内外の発表指導研究をまとめ、小・中・高・大学において、それぞれの状況に応じた指導目標を設定する必要があることを報告した。新型感染症拡大を受けて、公立中学校への訪問や、実験授業担当者との打ち合わせを頻回に行うことが困難となり、公立中学生を対象とした実験授業を実施することができなくなった。その代わりに、報告した内容を基に、事前指導としての協働学習実施手順を考案し、大学において秋学期間15回の試験的実験授業を実施した。その結果、学生同士の協働学習が英語発表能力の向上に貢献していることが示唆された。具体的には、テキストや教員のレクチャーから、そしてグループメンバーとの対話から問題解決の糸口を見出していることがわかった。さらに、協働学習での学びを自分自身の知識へ転換させ、プレゼンテーションスキルの向上へ繋げようとする意識が見られた。最終年度の令和4年度上半期には、前年度に実施した予備的実験授業の実施内容・実施方法について検討し、協働学習実施手順の改善をおこない、本実験授業を実施した。本実験授業では学生の意識だけでなく実際の発表活動を分析することで、学生の学習過程とその後の学習成果を結びつけることを目的とした。下半期には前年度得られた予備的実験授業結果をまとめ、国際学会(2件)および国際誌にて発表した。現在は上半期に得たデータの分析をさらに進めており、令和5年度には学会発表を行う予定である。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)
Foreign Language Education in the 21st Century: Review, Re-conceptualise and Re-align
巻: 1 ページ: 36-44