研究課題/領域番号 |
21K20290
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研究機関 | 東北公益文科大学 |
研究代表者 |
渡辺 伸子 東北公益文科大学, 公私立大学の部局等, 講師 (90777856)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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キーワード | 経済的不安感 / 家計管理スキル / メンタルヘルス / スキル形成 / 家計 / 夫婦 / 家計管理行動 |
研究実績の概要 |
本研究課題の核心をなす学術的問いは,経済的不安感を低減させる家計管理スキルはどのようなものか,である。本研究では,多様な家計管理スキルを収集して整理し,経済的不安感の緩和に有効なスキルを同定することで,人々のメンタルヘルスの向上に貢献することを目指す。 今年度は,家計管理スキルのもととなる家計管理行動を収集するため,面接調査と文献調査をを実施した。面接調査では,結婚し子どもを持つ成人男女合計8人に対して面接調査を行い,家計管理行動を収集した。文献調査では,家計管理について書かれた5冊の一般向け書籍から家計管理行動を抽出した。 前述の2つの方法で収集した家計管理行動について,家計の枠組みである「収入」「消費」「貯蓄」の3つのカテゴリーに分類した。その結果,「消費」に関する行動の記述数が最も多かった。次に,「貯蓄」に関する行動の記述数が多かった。「収入」に関する行動の記述数は最も少なかった。この結果から,家計の管理においては,「消費」をコントロールする試みが多く行われている一方で,「収入」に対してはできることが少ないと考えられていることが明らかになったといえる。特に一般向け書籍は,雇用されて働く人を読者として想定していると考えられるが,雇用されて働く人は収入を増加させる方法に限りがあることを反映した結果と考えられる。一方で,消費を少なくしようという試みは固定費の削減や家族と協力した節約など,多様な方法を取ること,また,それらの活動は収入の増加と比べて現在の暮らしの中で実施しやすいものであることが推察される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の拡大により,子どもの通う保育園が複数回休園となり,出勤できない日が何度かあった。そのため,研究時間を十分に確保することができず,研究は当初の計画より遅れた状態にある。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画により予定された2件の調査を行う。しかしながら,本来であれば令和3年度に実施であったが,前述の理由により令和3年度には実施できなかった調査が1件あるため,そちらを先に実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和3年度にweb調査を行うことができなかったため,大きな差額が生じた。また,備品としてPCの購入を予定していたが,購入の見積もりを取るなどの作業に時間を工面できなかったため,購入できなかった。これらについては令和4年度に実施したい。
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