心理学では他者への援助行動の動機を向社会的動機と呼んでいる。また,向社会的動機には意識的に測定される顕在的な向社会的動機(EPM)と,無意識に測定される潜在的な向社会的動機(IPM)がある。本研究では,IPMの測定法の開発を行い,IPMと援助行動および精神的健康との関連を研究した。対象は小学校4年生から6年生の児童であった。IPMの測定法は,紙筆版の潜在連合テストを使用して開発し,信頼性と妥当性を確認した。結果,援助行動の変化に対するEPMの関連について,IPMが調整効果を持つことが示された。また,IPMはEPMと比べて,精神的健康に対して正の関連が強いことが明らかになった。
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