研究成果の概要 |
本研究では,仮想接触アプローチが日本人の外集団に対する偏見の軽減および対外集団態度の改善に有用であり,その効果は実験室外でも持続することを示した。また,直接接触を経験する際においても,外集団に対する接触不安を軽減し,異文化コミュニケーション能力を向上させることが示唆された。さらに,仮想接触シナリオを応用して開発した代理接触アプローチは, 社会的学習を通して外集団とのコミュニケーション不安を解消し, 友好的な集団間接触行動を学習させることができることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は仮想接触アプローチが日本人の持つ対外集団態度改善,接触意欲の向上などにつながることを示した。また,国際教育現場での応用可能性について模索し,友好的な直接接触の促しにつながることを示唆した。さらに,仮想接触アプローチを行動レベルに影響を及ぼす形に発展させるため,代理接触アプローチとして応用・開発し,その効果についても明らかにした。本研究で得られた知見は,国際化促進のみならず,より健全な多文化共生社会の構築にも大きく貢献できることが期待される。
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