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2022 年度 研究成果報告書

感謝体験者による非道徳的行動:恩人の不正を匿う嘘

研究課題

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研究課題/領域番号 21K20304
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0110:心理学およびその関連分野
研究機関上智大学

研究代表者

山本 晶友  上智大学, 総合人間科学部, 研究員 (30908851)

研究期間 (年度) 2021-08-30 – 2023-03-31
キーワード感謝 / 道徳 / 不正 / 嘘
研究成果の概要

本研究ではまず,感謝体験者が感謝対象者の不正を匿う嘘をつくかを検討した。行動実験とその場面想定型実験の結果では,そのような嘘をつきやすくなるとはいえなかった。そこで指標を抽象化し「感謝対象者の損失回避のために第三者を犠牲にする程度」を検討した。その結果,感謝を感じやすいシナリオを読んだ群は,感謝対象者の損失回避のために第三者を犠牲にする傾向があった。さらに本研究では,感謝対象者の不正を匿う感謝体験者に対する,第三者からの評価を検討した。2件のシナリオ実験の結果,感謝対象者の不正を匿う感謝体験者に対して「この人物とは互恵関係を構築できそうだ」という肯定的な評価が生じやすいことが示唆された。

自由記述の分野

社会心理学

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究は,感謝体験者がある種の他者犠牲をしてでも感謝対象者を守ろうとする可能性や,それに対する第三者からの評価が肯定的になる可能性を示した。この知見は,向社会性の向上や良好な関係構築の機能など,感謝のポジティブな側面ばかりが着目される従来の研究動向に対し,検討課題の拡張を促す学術的意義がある。また,感謝を金科玉条とする教育の風潮に対し,行動科学の観点から警鐘を鳴らしうるという社会的意義がある。

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公開日: 2024-01-30  

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