研究実績の概要 |
ホロノミーD加群に対するRiemann-Hilbert対応の応用の1つとして、柏原氏の確定特異点型Riemann-Hilbert対応の別証明を与えることができたので、それに関する論文を執筆した(詳細は次の通り)。また、リー群Gが低空間に作用している場合の``G同変帰納層''や``G同変拡大帰納層''についての考察を行った。しかしながら、これらに関してはまとまった結果は得られなかったため、今後の研究課題としたい。
[Y. Ito, C-Constructible Enhanced Ind-Sheaves, Tsukuba journal of Mathematics, 44(1)]では、層の三角圏から拡大帰納層の三角圏への標準的な埋め込み関手および逆向きの関手が複素構成可能性を保つことを柏原氏の確定特異点型R-H対応を用いて証明した。ところが、それは確定特異点型R-H対応を用いずに証明できることがわかった。そして、その結果とホロノミーD加群に対するR-H対応を用いて柏原氏の確定特異点型R-H対応を証明することができた。つまり、柏原氏の確定特異点型R-H対応の別証明を与えることができた。
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