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2021 年度 実施状況報告書

ツイスト積層二層グラフェンにおけるサイクロトロン共鳴吸収の観測

研究課題

研究課題/領域番号 21K20345
研究機関東京大学

研究代表者

小野寺 桃子  東京大学, 生産技術研究所, 特任助教 (10907819)

研究期間 (年度) 2021-08-30 – 2023-03-31
キーワードファンデルワールス接合 / グラフェン / サイクロトロン共鳴
研究実績の概要

本研究では、ツイスト積層二層グラフェンにおけるサイクロトロン共鳴吸収シグナルの積層角度θ依存性を明らかにし、ランダウ準位がθによってどのように動的に変化していくかを調べることを目的としている。スタンプ法を用いて積層角度θ=1.1度(魔法角)付近でθの値を細かく変化させたツイスト積層二層グラフェン素子を作製した。これまでのツイスト積層二層グラフェン素子作製は、同一の単層グラフェンを2つに引きちぎって積層するTear&stack法が用いられれてきたが、引きちぎる際にグラフェンにかかる力によってグラフェンの位置ずれが生じ、狙った積層角度から大幅にずれてしまうという問題点があった(最大で0.5度程度)。そこで本研究では、グラフェンをあらかじめ2つに切断しておき、積層の際に余計な力がかからないように積層した。切断には高出力パルスレーザーによるレーザー加工を利用した。複数の異なるθをもつ素子に対して中赤外光(波長9.2-10.6 μm)を照射し温度3 K程度の極低温下でサイクロトロン共鳴吸収測定を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

積層角度1.1度付近のツイスト積層グラフェンデバイスを複数作製し中赤外光を当てて起電力測定を行ったが、サイクロトロン共鳴シグナルと思われるものは全く見られなかった。この原因としては、魔法角である1.1度付近では二層グラフェンのバンド構造が大幅に変化し、ランダウ準位感覚が中赤外領域から大きくずれていることが考えられる。

今後の研究の推進方策

魔法角付近のツイスト積層二層グラフェンのサイクロトロン共鳴観測を行うためには、中赤外領域以外の光を当てて実験を行う必要がある。そのための実験装置の導入および環境整備を行っていく予定である。中赤外領域のレーザー発行源は限られているため波長可変で光を照射することは難しいが、固定波長の光源をいくつか用意し、ツイスト積層2層グラフェンのランダウ準位間隔に相当する波長の光を当てられるようにする。

次年度使用額が生じた理由

他の助成金と合算することで当初想定していたよりも高額の装置を購入したいと考えたため。具体的にはサンプル測定パッケージのピン数を増やしてレーザー光を照射できかつレーザー光の入射角度を可変にできるようなサンプルプローブの設計と購入を検討している。

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公開日: 2022-12-28  

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