本研究で開発した、微小流体デバイスと光ピンセットを組み合わせたモデル実験系は、バクテリアをはじめとする生物系アクティブマターの構造と性質を調べる研究に広く用いることができる。特に、局所的な相互作用や構造が、バクテリアの成長や運動、バイオフィルム形成に如何に関わるかを調べる研究に有用である。また、本研究により、高密度バクテリア集団のガラス状態という新しい物質相を発見できた。バクテリアに関して得た本研究の知見や実験技術は、バクテリア運動状態の理解に資するだけでなく、将来的には、バクテリアの定着を阻害することによる抗菌手法開発や、それに基づく感染対策に貢献する可能性もある。
|