• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実績報告書

171Yb+イオンを用いた共同冷却による115In+イオン光周波数標準の精度向上

研究課題

研究課題/領域番号 21K20362
研究機関国立研究開発法人情報通信研究機構

研究代表者

木原 亜美  国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所電磁波標準研究センター, 研究員 (90911371)

研究期間 (年度) 2021-08-30 – 2024-03-31
キーワードイオントラップ / 光周波数標準 / 共同冷却
研究実績の概要

将来的な質量数171のYbイオンを用いたInイオンの共同冷却を見据え、今年度は質量数174のYbイオンの捕獲と、Inイオンの共同冷却を実現させた。
これまでの共同冷却では冷媒イオン(本研究でいうYbイオン)のドップラー冷却によってターゲットイオン(Inイオン)の冷却を行うというものだったが、本研究の最終目標であるYbイオンのサイドバンド冷却によるInイオンの共同冷却ではYbイオンのドップラー限界以下までInイオンを低温まで冷却できると推測できた。そこでマイクロ波遷移でサイドバンド冷却が可能な質量数171のYbイオンによるInイオンの共同冷却を目標とし、今年度はより捕獲が容易な質量数174の同位体イオンの捕獲と、Inイオンの共同冷却を行った。同位体の捕獲にはYb原子ビームに照射するイオン化光の周波数を変えることで行った。また、この時の分光実験により質量数171に対応するイオン化波長の特定もでき、質量数174のYbイオンの捕獲にも成功した。
次にYbイオンの捕獲中にInイオンを捕獲・共同冷却する実験を行った。YbイオンとInイオンの同時捕獲の確認には、トラップ中でイオンの運動の振動周波数を測定する手法を用いた。Ybイオンを単独で捕獲した場合と、YbイオンとInイオンを捕獲した場合でのそれぞれの振動周波数を比較することでYbイオンと同時に捕獲した別種イオンの質量を推定し、別種イオンの質量数が115であることを推定できたことから、Inイオンの同時捕獲・冷却に成功したと言える。
研究期間を通してYbイオンで共同冷却するInイオントラップ光時計の立ち上げを行い、それぞれのイオンを捕獲するためのレーザーシステムの構築、イオントラップ電極の組み立て、イオンの捕獲までを進めることができた。研究期間終了後も引き続き171YbイオンとInイオンの共同冷却に向けた実験を進める予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 光時計開発に向けたIn+イオンとYb+イオンの同時トラップ2024

    • 著者名/発表者名
      木原亜美、大坪望、早坂和弘、井戸哲也
    • 学会等名
      日本物理学会2024年春季大会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi