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2021 年度 実施状況報告書

新たな観測的手法・観測機器で迫る宇宙最強の磁石・中性子星

研究課題

研究課題/領域番号 21K20372
研究機関国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

研究代表者

米山 友景  国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 宇宙航空プロジェクト研究員 (90908774)

研究期間 (年度) 2021-08-30 – 2023-03-31
キーワード中性子星 / X線天文学 / X線偏光観測
研究実績の概要

本研究では中性子星の持つ強磁場について、既存の望遠鏡による新たな観測的方法、新たな望遠鏡によるX線精密分光、そして軟X線偏光観測の基礎開発の三つのアプローチを計画している。当該年度は、主に後者二つについての研究を進めた。
「新たな望遠鏡」であるX線天文衛星XRISMは現在開発中であり、2022年度内に打ち上げ・運用を行う予定である。2021年度は、科学運用に向けた準備を進めた。衛星から受信した観測データを科学研究に適した形態に変換するプレパイプライン/パイプラインプロセス(PPL/PL)、およびPPL/PLに用いられる衛星の基本情報、軌道や姿勢などを解析する地上システムの整備を行った。
軟X線偏光観測については、関東学院大学との共同研究で単色軟X線照射システムの開発を行った。これは偏光素子の評価・較正に必要なもので、大気中では容易に吸収・散乱される< 2 keV以下の軟X線を真空槽内で照射するシステムである。一次X線源から照射される連続X線をSiO2ターゲットに照射し、二次X線としてSiおよびOの特性X線を取り出す方式とした。また、軟X線偏光素子の解析を行い、観測する波長に応じて複数の多層膜偏光素子を設計した。
また、既存の望遠鏡による新たな観測的方法については、陽子サイクロトロン共鳴散乱と自転エネルギーの減衰の二つの方法で単独中性子星の磁場を求め、それらを比較することで表面の磁場分布を求める計画であった。しかし、陽子サイクロトロン共鳴線の構造が想定より複雑であることが明らかになったため、当初の予定と異なるアプローチが必要である。これは現在検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

COVID-19の世界的流行によって、特に軟X線偏光観測の基礎開発については部品調達などが予定より困難となったことから、進捗状況はやや遅れている。また、既存の望遠鏡による新たな観測的方法についても当初の想定よりも複雑なスペクトル構造を持つことが明らかになったため、解析手法をより洗練する必要が出てきた。

今後の研究の推進方策

XRISMの開発については予定通り継続し、打ち上げおよび運用に備える。軟X線偏光観測の基礎開発については、今年度に設計した多層膜偏光素子を製作し、単色軟X線照射システムにおいて評価する。既存の望遠鏡による新たな観測的方法については、より複雑なスペクトル構造に対しても適用できる解析方法の開発を行う。

次年度使用額が生じた理由

当該年度においては部品調達の困難等で主に軟X線偏光素子の開発にかかる費用の消費が予定より少なかった。次年度においては繰り越し分を含めて開発に使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] すざくによるLMXB 2S 0921-630の観測2021

    • 著者名/発表者名
      米山友景
    • 学会等名
      ブラックホールジェット・降着円盤・円盤風研究会

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公開日: 2022-12-28  

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