研究課題/領域番号 |
21K20374
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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キーワード | 流体フラックス / 岩石流体反応帯 / 地震活動 / 地震モーメント / 地震規模 |
研究実績の概要 |
Nature Geoscience誌に「英:Short-lived fluid flow in a single fracture related to seismic events in the middle crust 和:中地殻の地震現象に関連した単一亀裂内の短寿命流体流動」という研究論文を執筆、投稿。現在の状況は、検討中です。国際学会、国内学会で研究成果を発表。流体フラックス、輸送流体量、地震モーメント、地震の規模を推定することができた。 本研究では、地殻破壊の結果、急速な水和(-10時間)と透水性の変化(-10^-9-10^-8m2)が生じた試料に着目した。反応輸送モデルと反応帯内のSi変質プロセスに着目した熱力学的解析の連成により、流体駆動型地震活動を誘発するために必要な流体量を推定した。推定された流体量(10^1-10^4m3)は、潜在的な地震イベントのモーメントマグニチュードを近似的に算出するために使用される。その結果、モーメントマグニチュード(-0.6-3.8)と流体浸透の短い時間スケール(-10時間)は、揺れや低周波地震(LFEs)などのいくつかのスロースリップ現象に匹敵することが示された。このことは、単一の割れ目における大量の流体の流れが、地殻破壊の発生と、地殻下部-中部の震源域における地震活動の誘発を支配している可能性を示している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
私の研究成果に基づいて論文を書き、投稿することができたが、まだ受理されていない。私の方法論を改善し、変形を含む新しいサンプルを使って、もう1つ論文を書くことは可能だと思う。
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今後の研究の推進方策 |
私の研究は、変成岩の水理特性を、大量の流体の輸送によって引き起こされる地震現象と関連付けることに重点を置いていた。まず、流体フラックス、流体量、流体浸透によって発生しうる地震現象の特徴を推定することができた。しかし、私が使用した岩石サンプルには、例えば、せん断亀裂のような変形現象は見当たらない。そこで、次のステップとして、変形履歴のある岩石試料を用いて、変成岩の流体フラックスに基づく推定と、亀裂の形状に基づく推定の2種類の推定を比較したいと思う。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年はコロナ規制のため、国際会議での発表ができず、議論を通じて新しいアイデアを得ることができなかった。来年は、国際的な研究者の方々と、私の結果や方法論について話し合いたいと思う。また、EBSD分析も行っていないので、完了させなければならない。
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