初期宇宙で許される様々な星形成環境でシミュレーションを実施した結果、形成する初代星の質量は100太陽質量から10万太陽質量まで幅広い範囲に分布し、星質量と母体となるガス雲の密度、温度の間には密接な相関関係が存在するが明らかになった。私はこの関係と宇宙論的構造形成モデルを掛け合わせて初代星の質量分布を予言した。さらに星がBHへと進化した後もシミュレーションを続け、一部のBHが非常に急速な質量成長を経験することを示した。このように急速成長するBHはジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡などで観測できる可能性がある。これらの研究成果は超巨大BH形成の全貌解明に向けた大きな前進と言える。
|