本研究では、ベトナム南部及びラオス南部において、オーストラリア-アジアテクタイトイベント起源のイジェクタ層の野外調査を実施したほか、東南アジア各地で採取したイジェクタ堆積物試料の光学顕微鏡及び電子顕微鏡観察を行い、イジェクタ層の層厚と礫種組成に顕著な異方性がみられることを明らかにした。また、天然試料との組織比較のため花崗岩及び砂岩を用いた衝突実験を実施し、石英中の衝撃変成組織の一種であるFeather Featuresが従来知られていたより広い衝撃圧力範囲(2-18GPa)で形成されること、形成衝撃圧力の大きさに伴い顕微鏡下での特徴が変化し、衝撃圧力指標として有用であることを明らかにした。
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