研究課題
本研究の目的は、モータ性能の飛躍的改善のため、巻線界磁モータと永久磁石モータのように、全く異なる2つのモータの特性を1つのモータで実現することにある。本目的達成のため、(A). 個別に最適化された2つのモータを高精度な磁気回路モデルで表現、(B). 磁気回路モデルベースで両磁気回路モデルを統合設計する手法を開発した。(A)では最適設計された永久磁石モータ及び巻線界磁モータの解析モデルを、格子状の均一な要素で離散化した。次に、各要素で発生している磁束分布を、フーリエ級数展開に基づき、高調波成分ごとに数式モデル化した。この数式モデルにおける各係数は、最適設計された永久磁石モータ及び巻線界磁モータに、フィッテイングするように決定される。以上の手順で、格子要素毎に高調波展開された式ができるため、これを全要素で積分し一つの連立方程式を構築する。この連立方程式を解くことで、モータ全体の磁束分布を求めることができる。(A)で構築した各要素の高調波展開式は、両モータの構造的特徴を反映したものとなっている。(B)では、永久磁石モータの要素と、巻線界磁モータの要素を確率的に入替え、例えば平均トルクが最大となる要素の組合せを探索した。探索アルゴリズムには古典的な遺伝的アルゴリズムを使用した。これにより、両モータの特徴を備えた要素の、組合せを最適化する問題に落とし込める。本最適化問題で得られた解は、巻線界磁モータ及び永久磁石モータの長所を兼ね備えた構造となっている。本申請では、主に2021年度に項目(A)を、2022年度に項目(B)を実施した。項目(A)と項目(B)それぞれで、国際会議で成果を発表し、数編ずつの学術論文に纏めた。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)
IEEE Access
巻: 10 ページ: 62450~62458
10.1109/access.2022.3182502
COMPEL - The international journal for computation and mathematics in electrical and electronic engineering
巻: 41 ページ: 1415~1427
10.1108/compel-08-2021-0285
IEEE Transactions on Magnetics
巻: 58 ページ: 1~4
10.1109/tmag.2022.3159993
巻: 10 ページ: 60814~60822
10.1109/access.2022.3179835