ダイヤモンド中の窒素-空孔(NV)中心からの発光を利用する量子センサーは、高感度な磁気検出が室温で可能なことが理論上知られており、次世代高性能磁気センサーとして大変注目されている。しかし、これまでに報告されたNV中心に基づく磁気検出感度は既存の量子センサーに比べて数桁も検出感度が劣っているのが現状である。本研究では、光素子の自在な集積を可能にする転写プリント法を活用することで、グレーティング構造をダイヤモンドNV基板上に集積し、NV中心からの発光取り出し効率を約1.6倍向上させることに成功した。磁気検出感度の改善も確認しており、ダイヤモンド量子センサの高感度化に重要な成果といえる。
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